第171回直木賞受賞作品‼️
2024本屋大賞受賞作品
全6篇からなる短編集
所々に配置される伏線が、
物語の恐怖を煽ってくる。
些細な望みを叶えようとして、
結果として罪となる様子が
見事に表現されている良作!!
人の悪意の真髄を知ることになる。。
各章ごとに解説していきます。
違う羽の鳥
歌舞伎町でキャッチのバイトをする青年「 優斗 」
自分を見つめ、声をかけてくる女性と知り合う。
自分に近づいてきた目的も不明で、
美人局かも。。。
という不審感を抱きながら、
女性のアプローチに乗ってしまう「 優斗 」。
彼女が名乗った名前は「 井上なぎさ 」
中学の時に自○したはずの女性と同じ名前。
「 なぎさ 」は本人なのか?
自○したのは誰なのか?
「 なぎさ 」が語った真実を聞いた時、
あなたは「 なぎさ 」を責められますか?
ロマンス⭐︎
感染症が流行する中、
子育てに追われる日々の「 百合 」。
夫の言いなりになり一人我慢する毎日。
娘と帰宅途中、
食品配達をするイケメンを見かける。
(ウー○ーイーツのようなもの)
イケメンに会いたく配達を依頼する「 百合 」。
「これはガチャと同じ。いつか当たる。」
として自分を納得させ、
彼に会うまで続けようとする「 百合 」。
毎日ハズレとなるガチャを引きながら、
いつか彼に会えることを夢想する。
ギャンブル依存症にかかったように
配達をたのむ日々がいつしか終わりを迎える時、
自身が「 ガチャ 」されていたことを知る。
憐光
豪雨の日に行方不明になった「 唯 」。
15年後に○体の骨の一部が見つかった。
「 唯 」を弔うために
当時高校生だった親友の「 つばさ 」と
当時の担任だった「 杉田 」が
「 唯 」の実家を訪れる。
15年の歳月を経て、
現世に幽霊として復活した「 唯 」。
幽霊となっている自分はなぜ○んだのか?
知りたくなかったのか?
知ってはいけなかったのか?
行方不明になった日の記憶が徐々によみがえる。
登場人物の全員が
同情できない罪を抱えている。
唯一の被害者は
自らの記憶に蓋をした「 唯 」だけだった。
特別縁故者
料理人としての職を失い
当てもなくダラダラと毎日を過ごす「 恭一 」
妻の「 朋子 」は昼も夜も働き、
夫婦関係は亀裂が入りかけている。
息子の「 隼 」が近くの家の独居老人の家で
お手伝いをしたところ、
御礼に1万円札をもらってきた。
「 もっと貰えるかも… 」
というゲスな勘繰りをしつつ、
得意な料理で御礼の品を作り、
老人に近づく。
「 好きなことで人を喜ばせる 」
お金だけをみて仕事を探す毎日が、
老人に手料理を振る舞ったことで、
料理で人を楽しませることを思い出す「恭一」。
少しウルっとくる、
縁が結ぶ家族再生物語。
祝福の歌
親子を証明するものはなんだろうか?
血縁?それとも一緒にいる期間?
17歳の娘「 菜花 」が妊娠した。
本人は「 産みたい 」の一点張り。
優柔不断な性格である菜花の父「 達郎 」は
ただ時間が過ぎる中、決断できずにいた。
「 菜花 」の相手の男は高校生。
相手方の親も反対している中、
「 達郎 」は自身の血液型が
母からは生まれない血液型だと知る。
自分は誰の子か?
真実を知る時、
血縁関係以上の暖かい気持ちが生まれる。
さざなみドライブ
ツィッターで知り合った5名の男女。
全員が共通の目的で集まっていた。
目的は「 一緒に○ぬこと 」。
最後だからと言う理由で
動機を尋ね、身の内を話していると
今日○ぬことを躊躇するようになる。
自○を思いとどまったあと、
真の悪意が牙を剥く!!
まとめ
全6篇はどれもが見応えのある内容。
人の本性ほど恐ろしく、
反対に温かみに満ちていると感じさせてくれた。
間違いなくおすすめできる内容です。
\ 人の悪意ほど恐ろしいものはない‼️ /
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