大学教授の「 久和秀昭 」が逮捕された。
「 久和 」の車内から血痕のついた財布が発見されたことと
公務執行妨害によるもの。
志村署の刑組課係長「 佐久間龍平 」は、
「 久和 」の取り調べを担当することになった。
取り調べでは完全否認をする「 久和 」だが、
話す内容が大学の講義さながらの様相となる。
取り調べではなく講義が続く毎日、
佐久間班が捜査を進めると、
事件は思わぬ展開を迎え、
日本官僚、特に財務省の闇を知ることになる。
- 刑組課係長「 佐久間龍平 」
- 刑組課「 中田三都(なかたみつ) 」
- 財務省事務次官「 谷口康三 」
3名の視点で語られる物語。
フィクションとはいえ、ノンフィクションのような
日本財政の真実と財務省の闇の根幹を描写している。
何気ない一言や難解すぎない伏線が
物語が進む中で回収される瞬間
納得と感動が押し寄せる。
「 首木 」とは税を課せられた者のことで
財務省官僚以外の日本国民全員を指す造語
本文より一部引用
単純にサスペンス要素も面白いが、
日本の金融事情や国債などの用語を
分かりやすく丁寧に解説してくれる名著。
フィクションだが経済誌を見るより
経済のことを理解しやすく、
サスペンスものとしても
面白い内容だった。
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