あらすじとネタバレ
人間とは何か?
人権とは誰のための権利か?
メスのローランドゴリラの「 ローズ 」は
手話で人の言葉を理解するゴリラだった。
手話をすることで
人間の言葉を音声として発する
特殊なグローブを使い
人間と意思疎通を可能としていた。
ゴリラの研究施設のある
ジャングルで暮らしていた「 ローズ 」、
人間で言うところの
女子高生程度の知能を持っているため、
ジャングル以外の世界にも憧れを抱く。
しかし世の中は
「 ローズ 」をただのゴリラとは見ていない。
世界でも類を見ない「 ローズ 」の存在は
人類の経済効果のために利用され、
「 ローズ 」はアメリカに渡ることとなる。
「 ローズ 」自身も楽しみにしていた
アメリカに渡り、
動物園で飼育される中で
オスゴリラの「 オマリ 」と夫婦となる。
しかし幸せに見えた日常は
一発の銃弾で終わりを告げた。
動物園に来園した男の子が
ゴリラパークの柵を乗り越え、
エリアの中に落ちてしまった。
子供を助けようとした「 オマリ 」だったが、
その姿は人間から見れば
ただ子供に襲いかかるようにも見え、
動物園側は子供の安全を考慮し、
「 オマリ 」を射○した。
突如として、
夫を失った「 ローズ 」は
夫の潔白を勝ち取るため、
人間の行う裁判へ訴えを起こす。
「 原告がゴリラ 」という異例すぎる裁判は
「 ローズ 」の請求を棄却する形で幕を閉じた。
裁判が終わり、
何もかも失って途方にくれる「 ローズ 」。
自暴自棄になりかけていたが、
そんな時
「 裁判が全て出来レースだった 」
と知らされる。
裁判のやり直しを求め、
新たな弁護士「 ダニエル 」と
再度闘うことを決意する「 ローズ 」。
前代未聞の裁判が再び開始される。
感想
差別の根底にあるのはなんだろうか?
世の中には人種差別、性差別など
自分や周りと違うという理由で
多くの差別がある。
見た目や思い込みで
差別を行なっていないだろうか?
「 人 」の定義は人が決めたものなら、
同時にその定義は変えることができる。
差別を捨て、調和を求めた闘い、
ラスト60ページの裁判シーンは
「 人 」と「 動物 」の違いは?
人権とは誰のためのものか?
を問いかけられ、
心を揺さぶられる素晴らしい一冊だった。
\ 人とは何か? /
コメント