本屋大賞2024 が発表されました
見事1位に輝いた
「 成瀬は天下を取りに行く 」
を読んでみましたので、
早速感想を述べていきます。
※ネタバレありですのであらかじめご了承ください。
どんな話?
舞台は滋賀県大津市にある膳所中学校から始まります。
周りの人より少しだけ何でもできて、
周囲を寄せ付けないオーラを放つ少女「 成瀬あかり 」。
彼女を取り巻く人物や周囲の目線で語られる青春群像劇です。
個性の塊「成瀬あかり」が起こす数々の挑戦に
周囲が振り回される、
まさに「 成瀬あかり = 主人公 」感 MAX !!
時間軸が変わっても「 成瀬あかり 」を中心にした物語は
常に誰かの心を動かしている。
短編集のため一つ一つの話の区切りがはっきりし、
読み進めやすい作品となっています。
ありがとう西武大津店
44年間街のシンボル的存在だった「西武大津店」が閉店することになった。
閉店までの30日間、カウントダウンが行われ、
地元のテレビ局が毎日西武大津店に訪れることになった。
テレビ局が毎日来ることを知った「 成瀬あかり 」は
友人の「 島崎みゆき 」に「 夏を西武に捧げる 」と言い
さらに「 毎日テレビに映るからチェックしてほしい 」と頼む。
宣言通りテレビに映った「 成瀬 」だが、
その格好はなぜか西武ライオンズのユニフォームを着ていた。
始めは気に留めなかった人々が毎日テレビに映る、
「 ライオンズのユニフォームをきた少女 」に注目し出す。
膳所から来ました
「 お笑いで頂点を目指す 」と言い出した「 成瀬 」
M-1グランプリ出場のため、「 島崎 」を誘い
漫才コンビ、膳所(ぜぜ)出身の「 ゼゼカラ 」を結成。
プロ注目の若手漫才師たちとの出会いや
プロの漫才師たちの凄さを知り
研究を重ねて M-1 グランプリの 1回選に出場する。
階段は走らない
西武大津店の閉店を耳にした「 稲枝敬太 」
友人の「 吉嶺マサル 」と「 西武が無くなる前に行っておこう 」
という提案で久しぶりに西武で集合することに。
アラフォーとなったかつての同級生たちと出会い、昔話をしていると、
不意に小学校時代にケンカ別れをした「 笹塚拓郎 」のことが気になった。
ケンカをしてすぐに転校してしまった「 拓郎 」が気になり、
「 マサル 」の提案で小学校の同窓会を開催することを企画する。
線がつながる
「 西武大津店 」閉店から1年半後、
高校生になった「 成瀬 」
そして小学生から知り合いの「 大貫かえで 」
「 かえで 」は「 成瀬 」が苦手だった。
高校に入っていきなり坊主頭にした「 成瀬 」
相変わらず周囲との距離を感じさせる言動に
「 かえで 」はいつもわだかまりを覚える。
かるた部に所属する「 成瀬 」。
相変わらず不思議なオーラは健在である。
レッツゴーミシガン
かるたの全国大会 広島県の代表として滋賀県大津市を訪れていた、
「 西浦航一郎 」は一際 異彩な動きをする女性「 成瀬 」から目を離せずにいた。
同じ高校に所属するプレイボーイの「 中橋結希人 」の計らいで、
「 成瀬 」に話しかけることに成功する。
異彩な雰囲気はかるただけでなく、
急に琵琶湖デートに「 西浦 」と「 中橋 」の二人を誘う「 成瀬 」。
意外すぎる展開に唖然としながら、
「 西浦 」は自身の気持ちが「 成瀬 」への好意だと確信し、
気持ちを打ち明ける。
ときめき江州音頭
高校3年生となった「 成瀬 」
突如「 島崎みゆき 」から「 東京に引っ越す 」と知らされる。
今までマイペースで過ごしてきた中で、
「 島崎 」がいなくなることへの不安から
何をしてもうまくいかなくなる「 成瀬 」
「 島崎 」が自分にとってどれだけ大きな存在だったかを痛感する。
地元のお祭り「 ときめき夏祭り」で
総合司会を務めることになった漫才コンビ「 ゼゼカラ 」
もう一度、皆の前で漫才を披露することに。
まとめ
主人公「 成瀬 」を取り巻く人物たちの視点で物語が進み、
「 成瀬 」に翻弄されながら、前に進んでいく
少し甘酸っぱい青春を感じさせる。
特別な人などいなく、
誰もがもがき悩む姿を等身大で教えてくれる作品でした。
本屋大賞ノミネート作品にハズレなし!!
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