安楽○が合法化された未来の日本の話。
安楽○を適用するためにはいくつかの条件がある。
ざっくりと要件をまとめると、
申請後1年間を検討期間とし、
その間「アシスター(人命幇助者)」と
10回以上の面談を行うこと。
「 遠野眞白 」は自ら命を絶った兄を救えなかった想いを胸に
「 アシスター 」となった。
エピローグ、プロローグを除く
全5章は短編となっており、
物語の登場人物が分かれている。
安楽○を希望するものはその全員が違う気持ちを抱き、
苦しい現実の中では、
生きる希望を見出せずにいる者達。
生きることが辛く苦しいなら、
「 ○んでしまった方が楽 」と思う気持ちは
誰も止めることはできない。
人の感情を揺さぶる表現は涙なしでは
読み進められない。
星空と白い嘘
「 必ず帰ってくる 」
と約束した彼を待つ「 羽柴奈央 」
初めて「 生涯を共にしたい 」
と思った彼は戦地へ。
便りも無いまま、
待ち続けることに疲れ、
安楽○を希望する。
「 生きたい! 」
でも好きな人がいない世界に希望がない。
葛藤を抱え「 眞白 」と面談する。
色彩づく世界へ
妻と娘の3人で暮らす「 橘春樹 」
妻は若年性アルツハイマー型認知症の診断を受ける。
徐々に記憶をなくす妻、
それでも最後の時まで大切に時間を共にする家族。
無情にも妻は他界し、
娘と二人残されてしまう。
生きる希望を見出せず、
「 春樹 」は娘を残し安楽○を申請する。
天秤
アシスターと面談したからといって
安楽○を止められるわけではない。
また止めることが正しいわけではない。
「 新井海璃 」はどんなアシスターにも心を開かず、
最後に担当した「 眞白 」ですら、
止めることはできなかった。
「 海璃 」が最後に思ったのは、
生きる希望か?
それとも積極的な安楽○か?
その時、彼は勇者になった
「 将来は 勇者 になりたい 」
と夢を語っていた「 戸山翔 」
現実はニート。
「 勇者といえば旅 」、
という発想を「 眞白 」は提案。
「 翔 」は勇者を目指しヒッチハイクの旅を目指す。
ゆびきり
児童養護施設で育った「 東峰渚 」
社会人になる18歳で安楽○を希望し、
「 眞白 」と出会う。
会う度に「 ゆびきり 」をして
次回の約束を交わす二人。
「 眞白 」の想いも虚しく、
安楽○希望の最終確認も止められず
時間が過ぎる。
「 眞白 」の想いが「 渚 」へぶつけられる。
まとめ
「 何のために生きるのか? 」
人ぞれぞれ生きていく上で
思いは違う。
生きていくのが辛いなら
自ら命を断つ選択をするのも仕方がないと感じさせられる。
心の中の1%の「生きたい‼︎」を見つける物語。
どの章でもそれぞれの「 生きたい 」思いに
泣かされること間違いなし✨
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