残虐性を持つシリアルキラーのカエル男が帰ってきた。
カエル男こと「 有働さゆり 」を
ベテラン刑事「 渡瀬 」と部下の「 古手川 」が追い詰める。
今度の犠牲者は弁護士。
特に人権派と呼ばれる派閥の弁護士で、
残虐性のある事件を起こしていても刑法39条を盾に
被疑者の無罪を勝ち取るような者たちだった。
一 引き摺る
大型トラックの底に数十キロにわたり
引き摺られた男性の○体が発見される。
酷いことに男性は生きながらに引き摺られ続けたことが分かった。
また○体の近くからは
「きょう かえるをつかまえたよ」
から始まる幼稚性の感じる文章が見つかる。
県警は事件の残虐性と犯行声明文より
先日脱走したシリアルキラー「カエル男」が帰ってきたことを悟る。
二 啄(ついば)む
「カエル男」の足取りが掴めないまま
次なる犠牲者が生まれてしまう。
今度の被害者は女性。
廃ホテルでカラスに生きたまま食われるという
凄惨すぎる状態で発見された。
近くには「カエル男」からの犯行声明文も
さらに被害女性の名前も先の犠牲者の名前に続くもの。
シリアルキラーと残虐さが合わさり、
またも後手に回る県警。
「カエル男」の足取りが掴めないまま、
日々だけが過ぎていく。
三 乾かす
3人目の犠牲者が出てしまう。
今度は食品工場の食材の乾燥機内にて。
触れただけで崩れてしまうミイラのように乾燥させられた○体。
案の定近くには犯行声明文も置かれていた。
気がかりなのは、前の犠牲者の名前から連続しておらず、
不可解さが残る。
3人の犠牲者全員が過去に扱った事件で、
殺人を犯した者の無罪を獲得した経緯があり、
それぞれの遺族から恨まれていることがわかる。
四 誘う
※ネタバレあり
「有働さゆり」は二重人格であり、
通常人格と残虐性のある人格「カエル男」の二つの人格を有している。
治療のために通っていた元病院の医師「御前崎」は
自分の研究目的と知的好奇心を満たすために、
治療と称して「カエル男」の人格を主人格なるよう誘導していた経緯がある。
そのため収監されたが、
その「御前崎」宛にカエル男こと「有働さゆり」より
手紙が届く。
内容は単純な感謝の言葉だが、
「御前崎」は自身が捜査に協力するため、
3人目の犠牲者となった男性の○体現場に自分を連れていくよう取引を持ちかける。
「カエル男」の消息が掴めない状態で、
何かが起こりそうな予感を感じながら県警は
現場へ「御前崎」を連れていくことを決定する。
五 射(い)○す
刑事「渡瀬」、「古手川」とともに
食品工場に赴いた「御前崎」。
そして現れる「有働さゆり」。
長かった「カエル男」との闘いに終止符を打つときが訪れる。
感想
良かった点
事件の残虐性と幼稚な犯行声明文という
想像するだけで気持ち悪くなる描写がリアル。
※良く考えるものだ、と感嘆します
シリアルキラーの特性上、
イレギュラーが発生した際の不気味さは際立っていた。
悪かった点
「連続○人鬼カエル男」の続編であり、
前作、前々作を読んだ人向けの内容だった。
そのため所々で読者が置いて行かれてしまう。
また「法律を変えろ」「人権を重視しろ」という
議論シーンが散見しているが、
物語のテンポを止めてしまっていて
そういったシーンはさらっと紹介する程度で良いと思った。
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