G-MSHVXRZYEZ 青山美智子【人魚が逃げた】あらすじと感想

青山美智子【人魚が逃げた】あらすじと感想

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リレー式で紡がれる全5章のショートストーリー。

銀座に現れた「王子様」の格好をした男性が、

昼の情報番組で偶然インタビューを受ける。

「人魚が逃げた。」そう言い残し、去っていく彼。

銀座の「人魚」がSNS上で話題となる。

その日偶然にも銀座を訪れていた男女5名が

それぞれの視点で自身の物語を進めていく。

5名の男女に寄り添うように存在する「王子様」

人魚姫を探す物語は、微妙に絡み合った後にほつれていく。

 12歳年上の恋人と付き合う、23歳の男性。

 一目惚れして猛アプローチした彼女に対して

 いつも背伸びしてしまう。

 彼女に対して自身は不釣り合いな存在と卑下し、

 自己嫌悪に陥ってしまう。

 20歳の娘を持ち、50歳を過ぎた専業主婦。

 夢のために明日渡米する娘と一緒に銀座を訪れていた。

 子育てに追われていた日々が終わってしまう喪失感の中、

 自分の生きてきた道のりがひどく情けなく感じてしまう。

 

 定年退職を迎えた男性。

 いきすぎた絵画収集がキッカケで熟年離婚することに。

 離婚の原因は分かりつつも

 心の底から納得できないも何かを求めていた。

 自身が大事にしていた物が

 身近にあることを教えてくれる。

 

 年に一度の大きなタイトルに

 作品がノミネートされた男性。

 自分では信じられないほど出来栄えの良い作品に

 手応えを感じつつ、受賞作発表を待つ。

 

 1章で主人公だった男性の恋人の女性が主役。

 銀座のママとして店舗を切り盛りしつつ、

 現在の彼氏と交際中だが、

 「彼には自分以上に似合う人がいるのでは、、、」

 と自信が持てずにいた。

平和な動きの中に、

突然現れる異分子「王子様」がいいアクセントになっている。

1章と5章の繋がりを知って気持ちが安いだ。

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